2007年10月3日水曜日

歓喜のなかで、過ごしていたのだな (リレーコラム)



「ハッピーモーメント」に、
シリアスにこたえちゃ、だめかい?

歓喜。

僕の、ハッピー、、を、日本語にすると絶対こうなる。

4年前からトライアスロンをやっているので、
心拍数を測りつつ、よく、ジョギングしている。
歓喜のためには、心拍数は200をこえないといけない。
200をこえて、30分は維持しないと。
(30分×200rpm)の死線をこえて、ようやく歓喜に達する。
フルマラソンや、トライは、体と気持ちを痛めるつける
超マゾスポなのだ。

そこがいい。
ほんとだろうか?

5年間やってきたスープストックの事業から
ちょっと距離をおくことになって、
次はなにしょっかな???

と、考えたところ、うかばない。

どれもそれなりに面白そうだけど、
何か、わくわく、ドキドキが足りないよ。

仕事にも、周囲の仲間にも、
悪いがさっさと飽きてそうな自分に想像がつくので、
ことわることにする。

どんな事業を選ぼうかな?
(どんな職業を選ぼうかな?、、も、とりあえず、考えてみた)

そこで、最近、浮かんだ言葉。

「なんだか、(最近、俺)死に場所を探しているな」

ワクワクしそうな仕事は、
大変そうなのばかり。

民営化直後の郵便局の立て直しなんて、
よさそう。

なんだか、周囲も応援ムードじゃないし、、
血反吐がでそうだ。

でも、何故だかひかれる。
僕が、命を賭して、命の灯りを燃やすことで、
社会を照らせるのなら。
つまり、命、時間を無駄にしたくない、という渇望がある。

先日、芝居でみた、浅田次郎の『憑神』が、腹におちる。
めちゃ燃焼して活きる時間を過ごすために、
なんだか、死ぬだの、覚悟だの、、自然に、やたらと自然に考える。


でも、それだけか?

郵便局ひとつしかない田舎の村で、大声でさけびたいな♪
トライアスロンのゴールの後は、海にとびこみたい♪
ホノルルのレースの後のあの、カピオラニ公園に寝そべるがいいのだ!

「気持ちがイイ」のも大好きなのだ。

カピオラニ公園であおむけになって聞く、
小鳥のさえずりで、生き返る、、
それが楽しみで、マラソン大会に出ている気もする。

ピース。

僕は、どっちも大好きなのだ。

横ノリで、メローで、平和で、田舎で、小鳥の囀りと、太陽が大好き。
ピース。

死線を越える覚悟をきめて、ゴーンと、死に場所で格闘することも大好き。
死生。

ハッピー = 歓喜 = (ピース) × (死生)

あつし、と、かおり、、の結婚のお陰で、
こんなことを考えた。

10年ちかく、篤と付き合っているが、ぼくたちは、最初からずっと、
「死と生」について論じあってきたようにおもう。
バカボンドとリアルの新刊がでた日は、朝まで、人生を語りあった。
頼まれてもいないレポートも書いた(馬鹿だ)。

かおり、は、いつもぼくに、今の仕事を辞めるように誘う。
「眉間に皺寄せる仕事をやめて、コッチにきたらいいのに〜」と。
 
そして、僕もついつい乗せられて、皆で暮らそうといっている
「海辺のコーポラティブ」の話ばかりしちゃうのだ。

二人と近くに暮らしていた日々は、そう考えると、
ハッピーの定義にピタリあい、
歓喜のなかで、過ごしていたのだな、、とあらためて自覚できた。

そうだろう。

ふたりはそうだと信じたいが、、僕は、本当にたのしかった。

世界でこれほど、お互いを理解できる、二人+一人、、で、
この20世紀のおわりと、21世紀のはじまり、を泳ぎ、呼吸してきた。

ハッピーモーメント。

サンクス。

池本 多賀正

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渋谷にある富ヶ谷の一軒家で
アツシとタカマサと住人たち
そこに集った仲間たちと過ごした すごく愛おしい時間
もし 至福を感じたその思いを貯めておける
「幸せの貯金」というものがあったら
貯金がいっぱい貯まっただろうな

50年後の日本についてどうなっているか 
3人で 真剣に想像して
タカマサは そのひとつひとつの言葉を
ノートとペンを片手に かきとめていた

バカボンドの作者は 毛筆で書いているらしいとか
だから あんな命のやりとりがかけるんだとか
SWITCHから出た画集を片手に 熱くかたってたね

あるときは 超つらそうな顔をして
だけど 面白いとかいって
ダンスを踊っていた……
ま……微妙な動きだったけど笑

タカマサは 命を少しずつけずって 他人にあげているような人
そのあげ方がね はいどうぞ って素直なときもあるけど
どりゃっ て乱暴なときもあって
だから たまに誤解をされてしまうこともあるけどね
それだけ 必死で 何かを感じ 思いを言葉にして 
身体を精一杯動かして 何かを刻もうとしている人

そんな タカマサと話すのは とっても楽しかったし
時には あぶなっかしいなぁと思うこともあったし
その時間の濃度は 言葉で伝えられる自信がないけど

でも確実に言えることは
やっぱり 歓喜の中で過ごしていたんだね

このコラム頂いたとき 
不覚にも涙が止まらなかった

泣けてきちゃうほど 愛おしい仲間にあえて
またひとつ ハッピーモーメントをもらったよ

こちらこそ

サンクス

香里


いよいよ、富ヶ谷の卒業が近づいてきた。
本当に濃密な時間がこの家にはたくさんあった。
けっきょく6年すんだことになる。

中でも一番ながく一緒に住んできたのが、池本たかまさ。
なんでも僕の披露パーティでゴスペルをソロで歌うという噂。

よく思う。池本という男は、やたら雨漏りしてる家のようだってね。笑
いや、ほんと。ふつうの家はさ、
一滴二滴ぐらい雨漏りしたりすると大騒ぎするでしょ?
直さなきゃ~!とかね。
でもこの池本という家は、むしろざんざん降ってるわけ。ほんとに。笑
で、中に住んでる人に聞くと、「いや~、最高に気持ちいいぜー」とかいってる。
すきま風とかもけっこう吹いちゃってたりして、おいおいだいじょうぶかー、
って思うんだけど、あなどっちゃいけない。
中に入ると、デッカイ天守閣とか建ってたりするんだよ。
どうなってんだ、これー?

ていうな感じの雨漏り天守閣男、イケモトタカマサ。

これからぼくらはどうなっていくんだろうねー、タカマサ。
ぼくらはホント、不思議な関係だとおもうんだけど。
あらためて、どう思う?

男と男は複雑だ。いや複雑にしているのはぼくか?
つばぜり合い、畳の上での勝負、果てることのない未来への思い。
そんなことでしか示せない友情もあっていい。
それはぼくが不器用だからなのか?
でも同じ家の2階と1階に住み、互いの呼吸に耳を澄ませる中で
いつもどこか遠くで鳴っている太鼓の音が聞こえるように
ぼくはイケモトを感じてた。この感覚、わかるかい?ほんとなんだ。

これからは富ヶ谷を離れ、別々に暮らすことになるけども、
どこか遠くで鳴っている太鼓の音を感じながら、
僕はそれを自分を支える祝福のしるしとして生きていくよ。

ほんとうに6年間、ありがとう。

あつし