2009年1月31日土曜日

兆楽

渋谷に年に2回くらい、立ち寄る中華料理屋がある。
「兆楽」という店である。渋谷に何店舗かあると思う。

この兆楽という店、まずきれいな店ではない。
どちらかというと、こぎたないという感じの店である。
そして、最初に言ってしまうと味のほうは「下の上」くらい。
けしておいしくない。とくにご飯がおいしくない。

じゃあ、なんでそんな店に年2回も行っているのかというと、
まあ普通な価格で腹いっぱい食べれる便利な店だからである。
ちなみにこの店、けっこういつも混んでいて入れ替わり立ち代り
人が入ってきて繁盛している。
しかもそれなりに歴史もある(はず。)
少なくとも自分は高校生のときからお世話になっている。


じゃあここで、この「兆楽」の何を語るのかというと
厨房内の風景である。
この兆楽の厨房は、カウンターに囲まれたオープンキッチンなのが特徴。
あまり他の客は注目している様子はないが、
僕は昔からカウンターから眺める風景が大好きである。

多少の変動はあるが、「兆楽」のチーム編成は6-7名。
A:メインのフライパン
B:フライパンその2(チャーハン)
C:麺をゆでる担当
D:餃子を焼く担当
E:洗い場・ご飯をよそう担当
F:レジ・給水

Fはだいたい中国系のパートの女性
あとは日中が半々で入り混じる混成部隊となっている。
店員同士の会話は中国語が6割・日本語が4割。
Dの餃子係はたいてい若い見習いがやっている。
しかもけっこう暇そうである。あまり声もでていない。
Cあたりが片手で麺を茹でながら、入った注文を復唱したりしている。

やはり何よりの見所はAとBのフライパンである。
まずこの2人、身なりは汚く、脂ぎった感じのおっさんで、
メガネも相当曇ったりしてるが、フライパン扱いは見ていて飽きない。
火を通す類は基本的に全部ここを通るので半端ない業務集中だが、
相当に仕事がはやく、みていて気持ちが良い。
炒める⇒振る⇒出来上がり⇒フライパン洗う⇒炒める・・・
をひたすらやり続けているわけだが、動きは見ていてなかなか飽きない。
あの中華お玉?で調味料を少しずつすくいながら、片手でフライパンを振り、
また具材を投入しつつ、フライパンをガンガン振っていく様子は職人芸である。

でも残念なのが、最初にも言ったように、
出てくる料理の味は「下の上」である。