「なんぞや 戦国時代とは」
いよいよ最終巻の桶狭間戦記。
義元の最期に描かれた場面での台詞。
法度をととのえ、民をおさめ、
国を興し、武を励んできたはずの自分。
それが濁流ともいえる信長の軍勢に
あっという間に飲み込まれ、
死が迫る中で果たして新しい時代を
義元は感じたのではないか。
自分の死は戦国で武将として生まれ育った
以上はなんども予感したでしょう。
戦場での死も当然覚悟はあったでしょう。
それでも織田信長という
成り上がり(といっていいでしょう)の若造に
踏み込まれ自分が倒される運命だと確信したときに
義元は新しい時代の到来を感じたのではないか。
そんな実感がジワリと感じられる力作。
おススメ。